京都新聞(2013年2月2日(土))より許可を得て掲載
記憶の整理 階層構造
いつ、どこで、どのように
記憶をつかさどる脳の部位「海馬」が、かつて経験した出来事を「いつ、どこで、どのように」と詳細に覚える仕組みの一端を、同志社大脳科学研究科の高橋晋准教授(神経科学)がラットの実験で突き止めた。コンピューターと同様に階層構造で整理され、思い出しやすくなっているらしい。

記憶をつかさどる脳の部位「海馬」が、かつて経験した出来事を「いつ、どこで、どのように」と詳細に覚える仕組みの一端を、同志社大脳科学研究科の高橋晋准教授(神経科学)がラットの実験で突き止めた。コンピューターと同様に階層構造で整理され、思い出しやすくなっているらしい。

ラットの頭に電極を挿入し、点灯する光がゴールの目印になるが、途中に5秒間壁が出現して待たなければいけない場所もある迷路で実験した。

海馬の神経の活動を調べると、光が見える場所までくると神経の活動があった。「いつ、どこで」という記憶に関わっているらしい。また、壁の出現によって活動が変化した。神経活動の変化と「どのように」すればいいかを関連づけているらしい。

これら2種類の異なる記憶を階層的に組み合わせて、正しい道を進んでいるのではないかという。

道を熟知したタクシー運転手は海馬が大きく、アルツハイマー病で海馬が損傷されると記憶に障害が出ることが報告されている。

高橋准教授は「海馬の記憶の仕組みが細胞レベルで分かってきたことで、新たな記憶障害の治療法や、記憶法の開発にもつながるのではないか」と話している。

(松尾浩道)

京都新聞 2013年2月2日(土)掲載記事