高橋晋准教授が、総務省 戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)若手ICT等研究者育成型研究開発の支援を受けて実施した研究成果が、京都新聞に掲載されました。
京都新聞(2015年10月29日(木)付け)より許可を得て掲載
道順選びの脳活動解明
迷って記憶思い返す時、10倍速で再生

迷路で迷いながら、ゴールへの正しい道順を選び出す時に脳の「海馬」が働く仕組みを、同志社大脳科学研究科の高橋晋准教授がラットの実験で解明した。記憶の想起のメカニズム解明につながり、認知症などの治療へ応用が期待できるという。英科学誌で発表した。

海馬は記憶をつかさどり、空間の特定の場所に反応する海馬の神経は「場所細胞」と呼ばれる。

実験では、ラット4匹が迷路をたどる時の海馬の活動を計測。ゴールまで正しくたどり着くよう訓練してから計測すると、一連の「場所細胞」が特定の順番で活性化していた。

分かれ道で迷ってから正しい道を選ぶ時は、迷わない時と比べ10倍の速度で場所細胞が順次活性化。分かれ道の直前に5秒間、壁が生じるなどゴールまでの出来事の違いでは、反応する場所細胞の順番は同じだが、活動の強さが異なった。

高橋准教授は「迷って記憶を思い返す時に、10倍速でリプレイが行われている」と推測。神経活動の強さの違いは、それぞれの出来事への反応を意味しているという。高橋准教授は「『いつ、どこで、どのように』という人の記憶を海馬が担うことを示す」と説明している。

(広瀬一隆)

京都新聞 2015年10月29日(木)掲載記事